『95ヶ国の1,166人がそろばん通に』 1986年6月に、現代の科学技術万能の時代に、長い歴史を持つそろばんの存立が是認されるのか否かを、諸外国の知識人層に問いかけることを目的にしてスタートした『外国人のためのそろばん講座』も丸30年が経過した。 この間、95ヶ国から1,166人の外国人がそろばんを学び、沢山の人が高い水準の技術を身につけてくれた。 <珠算合格実績> 初段1名、日商1級3名、2級14名、3級55名、4.5.6級約340名 < 暗算合格実績> 1級2名、2級3名、3.4級90名 今までの講座の展開から、機械・科学中心の現代社会においても、そろばんの存立意義と社会的貢献の度合いは高いと実感することができた。コンピュータの発達と普及という側面とそろばんの活用という側面は互いに相容れないものではなく、むしろ共生していくものであるということも学ぶことができた。 コンピュータの普及と使用からはいろいろの弊害・問題点が生じてくる。反面、そろばんは、人間の基本的能力を磨き上げて身に付けていく技術であり、そのトレーニングそのものと、その過程で得られる忍耐力・向上心などは、正に教育の基礎・基本をなすものであって、機械化からのもろもろの弊害を薄め、それらを消去する働きをするものだということも理解できてきた。 それぞれの国の違った文化をバックグラウンドとして、一つの代表的日本文化“そろばん”を外国の人たちに指導していくことで、真の国際交流、国際親善を体験し、実践してきていることが実感できる。それにともない珠算指導者の国際感覚も少しずつ高められているのであろう。 現代社会における、特にコンピュータ化の中でのそろばんの意味、そして、そろばん教育の意義を世論に説き理解を深めてもらうことは喫緊の作業である。これらの作業は、珠算指導者の手であらゆる手段を通じて積極的に行うべきことは当然のことである。 ことにマスメディアの報道を通じてこれらの作業が行われることは、その考察の客観性、社会全般への浸透性の高さを考える時、最も望ましいことである。 30年間を超える講座の展開に関連して行われた、マスメディアのそろばんとそろばん教育に関する各種報道は以下のような内容になっている。これは前述のようなマスメディア報道が持つ特性から、そろばんにとって、またそろばん界にとって大きな成果につながるものといえる。 ******************** ★テレビ放映・・・68回 NHK17、毎日13、朝日9、関西5、SUN1、岩手1、宮崎1、読売CA2、朝日CA1、読売4、大阪4、全関西CA1、読売動画ニュース8、フジTV1 ★ラジオ放送・・・31回 NHK12、RBK1、NHKR.J.1、大阪7、毎日4、FM箕面1、関西1、朝日4 ★日本字新聞掲載・・・143回 読売25、産経17、大商N15、朝日12、毎日・日本経済13、中国・大阪・日刊工業・福井3、山陰中央・日商石垣2、大阪日日20、日経流通・ニューひょうご・上海珠算教育・私鉄沿線・留学生と里親の交流・サンケイフォトニュース・ジオスニューズレター・池田銀行ソフトレター・おおさかふ・日経パソコン・日経産業・大阪に活力を・リビング北摂・東京・あさひふれあい通信・ふふふ大阪・マツダワールド・京都・とらばーゆ・会議所ニュース・大阪市交通局C・WORK・専業税理士界・みなとQ10など ★英字新聞掲載・・・25回 毎日デイリーニューズ10、デイリー読売6、ジャパンタイムズ4、朝日イブニングニューズ・朝日ウイークリー1、関西タイムアウト頻繁・関西シーン2 その他 ★仏字新聞掲載・・・1回 ル・メトロポリツーン1 ★中国語誌掲載・・・2回 斎魯珠壇(山東省珠算協会)1、珠算与珠心算(第40期)1 ★HP掲載・・・1回 大阪教育大学HP1 ******************** マスメディアが、これほどまでにそろばんを大きくセンセーショナルに報道し続けてくれる理由は幾つか考えられる。 一つは、彼等には、『外国人のためのそろばん講座』を通じて、そろばんが日本だけのものではなく、また、古い時代遅れの計算テクニックでもなく、それは広く世界に通用するものであり、コンピュータ時代においても充分に存立していける計算の文化であることが理解できるからであろう。 次に、現代の教育基盤の中で、そろばん教育は基礎・基本の部分を形作る有効な手立てになることをはっきりと認識して、そろばんの役割を高く評価してくれるからであろうと思われる。 この講座に立ち会ってくれたマスメディア関係者の殆どは、日本のそろばんに対する今までの概念を大きく変化させ、そろばんの持つ世界性、現代性、普遍性に目を見張り、新しい視点からのそろばん理解者になってくれる。 そろばんに関わる者にとって冥利に尽きる思いがする。 将来のそろばん復権の実現を目指すそろばん教育強化運動の一つのモデルとして、この講座を位置付けて、誠心誠意心からの指導を続けていくことが、広く一般人のそろばん理解につながっていくものと信じている。 |
“ヤニック・ピシェさん、カナダへ旅立つ!” 短い中断はあったが、17年に及ぶそろばん学習を終えて母国カナダ(モントリオール)に帰国した。日商珠算1級5回連続合格を果たし、暗算2級と伝票算初段にも合格。講座のリジェンドとして、永く名を残すことと思う。カナダでは、翻訳・通訳の仕事とそろばん塾経営を目指す。離日に先立ちコメントを残してくれた。彼の精進と協力に感謝し、母国での飛躍を祈りたい。〜以下本人談〜 「そろばんとの出会いは好奇心からだったが、計算力が付き、暗算力が高まるにつけ、その虜になった。こんなに長くそろばん学習を続けられたのは、先生たちや練習仲間たちのおかげと思っている。17年に及ぶ講座通いで、多くの人と忘れ難いお付き合いとなった。そろばんはこれからも人生の大事な部分となりそうだ。勿論、娘たちにもそろばんを仕込みたい。」 |
I started attending the abacus class in 1999 out of curiosity for something. I had very little knowledge about. I quickly became interested in improving my calculation skills and, eventually, my mental calculation skills. However, what really kept me going for so long were the people I met at the class: the teachers and fellow students. Over the course of those 17 years, many have become key persons in my life as well as great friends. I want to sincerely thank all the teachers for introducing me to the abacus and many other elements of the Japanese culture over the years. Abacus has become a big part of my life, and I believe it will continue to be; I certainly intend to have my daughters become proficient at it! |
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" カナダ人ヤニックさん、暗算2級をクリア” 6月5日施行の暗算検定2級に、そろばん講座のヤニックさんが見事合格。外国人練習生には至難とされるハードルを越えた喜びのコメントを掲載する。そろばんの練習からは、多くの目に見えない素晴らしい効果(集中力や記憶力の向上など)が得られるが、究極の目的は、どこでもいつでも使うことができる暗算力と呼ばれる実用的なスキルの獲得にある。暗算2級に合格するスキルに達するということは、何か新しいことの始まりのように思える。即ち、日常生活で、もっとこの暗算スキルを実戦で使用できるステージに立ったということだと思う。 |
Even though the practice of abacus brings about several positive indirect benefits (increase of focus, memory, etc.), its ultimate purpose is the acquisition of practical skills that can be used anywhere and anytime, namely, mental calculation skills. Reaching anzan skills sufficient enough to pass this 2-kyu exam feels like a new beginning; it represents a transition to this practical level where, more and more, I find myself making real use of these skills in day-to-day circumstances. |
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“外国人そろばん講座、17日放映決まる” 5月17日(火)、フジテレビ「みんなのニュース」の18時14分から、外国人そろばん講座風景と受講生ジェシカ・ピータースン(イギリス人)さんの密着取材フィルムが放映される。彼女は、幼稚園の英語教諭として幼児たちに英会話を教えながら、ボーイスカウトのスタッフも務める。そろばんの腕前は、去年3級に合格、目下2級挑戦の準備中である。日本で夢を実現するため、頑張る外国人の姿をうまく表現されるのか楽しみだ。放映は関東圏のみ。 |
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"阪大院生、そろばん講座に入門” 4月30日、ブラジルからの留学生Fernanda Kashiwagi さんが、念願かなって外国人講座でそろばん学習をスタート。フェルナンダさんは、大阪大学大学院で化学工学を研究。修了までの1年間、そろばん習得に挑戦を決めた。どこまで上達するのか、楽しみだ。 |
I have first seen abacus at my grandmother's house, but I couldn't understand the way to use, so I decided to come to this class. I have always liked studying math, and since I am studying engineering I usually use calculator. Getting to know another way of doing calculations is very interesting. |
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"カナダ人ALT,そろばん講座に入門” 4月23日、1か月前に来日し、インターナショナルスクールで英語を指導するサヴァンナ・スクワイアーズさんがそろばん学習を本格始動。いずれ子供たちにそろばんも指導したいと願う彼女は、一気に、加減、乗除の基本をクリア、読上算にもチャレンジした。短期の上達が期待される。 |
It is an interesting aspect of Japanese culture. Also, my students will have abacus class and I would like to understand so that I can help with lessons. I have always had difficulty with math and calculations, and I thought abacus would be a fun way to improve my skills. |
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“伝票算検定、受験外国人全員に合格証書” 4月23日施行の第19回伝票算検定(近団連主催)で、ヤニック(カナダ)さんは初段に、シュー(台湾)さんは1級満点合格。3級受験のマ(香港)さんとヤップ(シンガポール)さん達も高得点で合格。5月21日、合格証書が交付された。左手で問題をめくりながら右手で加算を行う伝票算は、頭脳開発に有効であることから、外国人そろばん講座で学ぶ受講生に,今人気が高まっている。 |
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"フジテレビ取材で盛り上がる外国人そろばん講座" 4月9日の外国人講座は、22名の外国人受講生、講座見学者1名、TV取材クルー2名を、12名の指導者で対応。9時から12時半まで長時間の密着取材となった。企画のコンセプトは、「日本で夢を実現するため頑張る外国人の姿に密着!そこには、日本の若者が忘れかけている熱意・努力・絆があった!」。夕刻のフジテレビ「みんなのニュース」の特集「シュザイブ」で放映される予定。日本で活躍し頑張る外国人から何を学べるか、放映が待たれる。 |
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"外国人そろばん講座のチビッコメンバーたち” 2月28日、ベイタワーホテル大阪で開催された大阪珠算協会主催「優良生徒表彰式典」で、12か国25名の外国人そろばん学習者に修了証が授与された。最近は、子供たちの学習者が多く、毎週土曜日に開催される講座は活気づいている。この日は、タンザニア、カナダ、アメリカ、シンガポール、中国の子供たちが参加した。国際親善の橋渡し役を期待している。 |
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"お見事 日商珠算1級検定 4回連続合格!” 2月14日施行の日本商工会議所主催第206回珠算能力検定試験を受験したヤニック・ピシェ(カナダ)さんは、見事1級に合格。これで4回連続の1級合格となった。6月に今一度挑戦し、スコアの向上と満点合格を目指す。今回初めて、制限時間内の全問回答がかない、上達の手ごたえをつかんだ。 |
This was the fourth time I took and passed the first level exam. Although I didn’t manage to improve my score, I’m happy that I could, for the first time, complete all the calculations. Thank you again to all the very supportive instructors! |
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”米国人教師、そろばん5級に見事合格” カール・アーヴィドソンさん(アメリカ)は、12月施行の珠算5級検定に見事合格。彼は、英語と英会話を指導する高校教師だが、クラブ活動にも積極的に関与し、毎日が多忙。練習時間が取れないハンディを克服してのハイスコア合格に喝采を送りたい。 |
I am happy I could pass Level 5. It has been difficult for me to participate in class regularly, or even take the tests, but I could concentrate on study and pass this test finally. Even though I cannot always join the class, I enjoy soroban because it allows me to use my brain in different ways than at work or in my daily life. I hope to continue to improve my skills, and keep this as one of my life goals. |
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